デンマークの海運会社NORDENは2026年9月2日、Microsoft、Roundtable on Sustainable Biomaterials(RSB)と共同で、RSB Book & Claim登録簿を通じた海運分野初の検証済み排出削減量をMicrosoftに提供したと発表しました。
NORDENは、同登録簿で検証済み削減量を発行・販売するために必要なRSB Book & Claim trader認証を、海運事業者として初めて取得しました。Microsoftは、海上輸送に伴うバリューチェーン排出への対応として、この仕組みを利用した最初の企業とされています。
Book & Claimは、低炭素燃料が実際に使われた輸送と、その削減価値を利用する企業を切り離して管理する仕組みです。自社貨物の航路で低炭素燃料が使われていない場合でも、登録簿を通じて削減価値を取得できる点に特徴があります。今回の取引は、海運分野でもこの仕組みをScope 3対応に活用できる可能性を示しています。
製造業、小売業、商社などが利用する海上輸送の排出量は、契約関係や輸送区間に応じてScope 3カテゴリ4またはカテゴリ9に含まれます。NORDENの発表では、今回移転された削減量の数量や使用された持続可能燃料の種類は示されていません。
今回の事例は、海運由来のScope 3排出について、物理的な輸送経路とは別に削減価値を取得する動きが実務化したものです。自社貨物の航路で低炭素燃料を直接使えない企業にとって、削減需要を示す手段になります。
一方で、Scope 3削減として説明する場合は、実排出量とBook & Claimによる削減価値を分けて扱う必要があります。算定・開示方針では、証書の帰属、対象輸送、主張できる削減範囲の明確化が前提です。