米カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州法SB 253に基づく2026年の初回Scope 1・Scope 2排出量報告について、提出期限を2026年11月10日とする報告ガイダンスを公表しました。
SB 253は、カリフォルニア州で事業を行い、年間売上高が10億ドルを超える一定の米国事業体にGHG排出量の開示を求める制度です。2026年の初回報告はScope 1・2を対象とし、Scope 3報告は2027年から開始予定です。2027年以降の算定方法や報告期限、保証などの詳細については、CARBが別途ルールメイキングを進めています。
初回報告の対象期間
2026年の初回報告では、原則として直前の事業年度が報告対象です。事業年度末が2026年2月1日以前の場合は2026年中に終了する事業年度、2月2日以降の場合は2025年中に終了した事業年度のScope 1・2排出量を報告します。ただし後者については、データが利用可能であれば、2026年中に終了した直近の事業年度を選択することもできます。例えば3月決算企業は、原則として2025年3月期(2024年4月~2025年3月)が対象ですが、データが揃っていれば2026年3月期を選択できます。
2026年は既存データの利用も可能、第三者保証なしでも受理
初年度は移行措置として、既存の年次報告書、他制度や自主的枠組みに基づくScope 1・2データ、CARBのドラフトテンプレートなどを提出に利用できます。提出プラットフォームの利用は任意で、メールでの提出も認められています。
また、SB 253では2026年からScope 1・2について限定的保証(limited assurance)が求められていますが、CARBは初年度の執行裁量として、2026年については第三者保証を取得していないデータも受理するとしています。
CARBは、可能な場合には、排出量だけでなく、算定方法、データソース、排出係数、組織境界、使用した前提などの情報も併せて示すことを推奨しています。Scope 2については、2026年報告で特定の排出係数データセットの使用は義務付けられておらず、信頼できる代替データの利用も認められています。
なお、2024年12月5日時点でScope 1・2データを収集しておらず、収集予定もなかった事業体については、CARBは会社レターヘッドでその旨を示す非報告の声明(statement of non-reporting)の提出を求めています。
日本企業は米国子会社の対象有無を確認
SB 253の対象となる「reporting entity」は、カリフォルニア州を含む米国の州法などに基づいて設立された一定の事業体です。このため、日本企業では、親会社が日本法人であっても、カリフォルニア州で事業を行う米国子会社や米国事業体が対象となる場合があります。
既存のCDP回答、サステナビリティレポート、GHGプロトコル準拠のインベントリを転用する場合は、対象法人、対象期間、単位、算定方法をSB 253の提出条件と照合する必要があります。
SLM編集部コメント
2026年は初年度の移行措置として、既存データの利用や、第三者保証を取得していないデータの提出が認められています。一方、これはGHGデータ管理や保証対応が不要になったことを意味するものではありません。
2027年以降はScope 3も報告対象となり、CARBは算定方法や保証を含む詳細ルールを現在策定しています。日本企業でも、対象となる米国事業体の確認に加え、組織境界、元データ、排出係数、算定方法、承認履歴などを追跡できる形で管理しておくことが重要になります。
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