SSBJ、ESRS-40aへのコメント提出を了承 二重報告負荷の4論点を整理

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SSBJは、EFRAGのESRS-40a公開草案への意見提出を了承しました。SSBJ基準との二重報告で課題となる要求事項の差、RORD情報、報告範囲、EU法令参照の4つの論点と、日本企業が確認したい実務上のポイントを解説します。


サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は2026年10月22日の第74回会合で、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)の「ESRS-40a」公開草案に対する意見提出を了承しました。意見募集の期限は2026年10月31日です。

ESRS-40aは、一定のEU域外企業グループが、人や環境に与えるインパクトを報告するための基準案です。SSBJ基準に基づく開示も行う日本企業では、両基準の違いによる追加作業をどう減らすかが論点になります。今回了承されたのはSSBJの対応方針であり、ESRS-40aの最終基準が決定したわけではありません。

対象企業と今後の予定

EU会計指令第40a条では、EU域内の純売上高が直近2事業年度連続で4億5,000万ユーロを超え、EU子会社または支店に関する所定の売上高要件(2億ユーロ超)も満たすEU域外企業が、報告対象になり得ます。

現行スケジュールでは、2028年1月1日以後に開始する事業年度が対象で、初回報告は2029年の見込みです。EFRAGは意見募集後、2027年1月に欧州委員会へ最終技術助言を提出する予定です。その後、欧州委員会による基準の採択が必要となります。

二重報告で焦点となる4つの論点

SSBJは第71回以降の会合で、SSBJ基準を適用する日本企業がESRS-40aにも対応する場合の追加負荷を検討してきました。主な論点は次の4点です。

  • 基準間の要求差:似た項目でも開示目的や要求事項が異なると、追加の情報収集や説明が必要になります。
  • RORD情報の取扱い:ESRS-40a案は、リスク・機会・レジリエンス・依存関係(RORD)の開示を通常のESRSとは異なる形で扱います。SSBJ基準で作成した情報を参照・再利用する際の整理が論点です。
  • 混合アプローチの報告範囲:気候関連のインパクトはグローバル、それ以外はEU関連のインパクトに限定できる選択肢です。ただし、どの活動や製品がEUに関係するかを判断する作業が生じます。
  • EU法令への参照:EU法令に由来する用語や概念を、EU域外の企業がどう解釈して開示に反映するかが課題です。

SSBJは、ISSB・SSBJ基準とESRS-40aの相互運用性や同等性評価も踏まえ、二重報告の負担を抑える方向で意見を検討してきました。ただし、現時点で基準間の同等性が認められたわけではありません。

日本企業が確認したいこと

対象となり得る企業は、まずEU域内売上高と子会社・支店の状況を確認する必要があります。その上で、既存のSSBJ開示項目とESRS-40a案を照らし、再利用できる情報、追加で判断が必要な情報、報告範囲が異なる情報を分けておくとよいでしょう。

最終基準の内容は変更される可能性があります。現段階では固定的な帳票を作り込まず、対象範囲と要求事項の差分を継続して確認することが重要です。

SLM編集部コメント

今回の論点は、同じサステナビリティ情報を複数の基準に使う際の扱いです。例えば、SSBJ基準でまとめたリスク情報をESRS-40aのインパクト報告に利用する場合、開示の目的や対象範囲が違うため、そのまま使えない部分が出る可能性があります。

まずは既存データの定義、対象範囲、根拠資料を確認し、制度ごとの違いを整理しておくことが現実的です。最終基準が決まった後に必要な修正を判断できるよう、経理・サステナビリティ・海外事業部門で確認する項目を共有しておくとよいでしょう。

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